アットプレス
  • 極端気象アトリビューションセンター(WAC)が、2025年7月下旬の記録的高温イベントをWAC手法により分析し、人間活動による地球温暖化の影響が確認されたことを発表しました。

    ● 7月22日~30日の日本全域および、北海道などで顕著な高温となった7月18日~26日の北日本の1500m平均気温は、7月の同時期としては1950年以降で観測された第1位の高温であった。
    ● 日本全域の高温イベントは、2025年の気候条件下では、約31年に1度の割合で発生し得る(約3.2%の発生確率)が、人間活動による地球温暖化の影響がなければ発生し得ないレベルだった。
    ● 7月18日~26日の北日本の高温イベントは、地球温暖化の影響によって発生リスクが約34倍に高まった。
    ● 2025年の海面水温などの自然変動も高温イベントの発生リスクを高め、特に北日本ではその影響がより大きい傾向にあった。

    極端気象アトリビューションセンター(WAC:Weather Attribution Center)は、日本各地で発生した極端気象について、人間活動による地球温暖化やその他の気候変動がどの程度影響しているかを「イベント・アトリビューション(EA)」という科学的手法で迅速に分析し、その結果を公表しています。この度、2025年7月下旬の記録的高温イベントに対して、WAC手法を適用した結果を示します。

    1. 分析対象イベント
    2025年7月下旬は全国的に記録的な高温となり、7月22日~30日平均の日本上空および、北海道などで顕著な高温となった7月18日~26日平均の北日本上空1500mの平均気温は、いずれも7月の同時期としては1950年以降で観測された第1位の高温となりました。

    この要因として、ヨーロッパ方面から日本付近へかけて亜熱帯ジェット気流に沿った波の伝播(図1a)と、北西太平洋域(フィリピン東海上)の熱帯低気圧を含む活発な対流活動により(図1b)、日本付近で背の高い太平洋高気圧が強まったことが考えられます。特に北日本では、これらの状況が顕著となりました※1(図1補足資料)。

  • 続きを読む