
2026年(令和8年)3月17日、国土交通省より令和8年の公示地価(価格)が発表されました。全国26,000地点の標準地における2026年1月1日時点の公示地価(価格)は、全用途平均で2.8%上昇し、全国では5年連続の上昇傾向にあります。
詳細は、「令和8年 地価公示の概要」をご参照ください。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html
こうしたニュースを見て、「自宅周辺の土地の値段はいくらだろう?」と気になった方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ調べてみると「公示地価」や「路線価」など様々な価格が出てきて、「結局、本当の値段はどれなの?」と戸惑ってしまうケースは少なくありません。
そこで本記事では、1つの土地に5つの価格が存在する「一物五価」の仕組みを分かりやすく解説します。それぞれの指標が持つ意味や、実際の取引価格(実勢価格)との関係性について詳しくみていきましょう。
一物五価(いちぶつごか)
不動産には「①実勢価格」「②公示地価(価格)」「③基準地価(価格)」「④路線価(相続税評価額)」「⑤固定資産税評価額」の5つの価格があることを表現したのが「一物五価」という言葉です。これらの価格は、根拠となる法令や通達、公表者、公表時期、利用目的、価格水準等が異なっており、価格査定に役立つ地価指標とされています。
図1のとおり、「公示地価(価格)」は国土交通省、「基準地価(価格)」は都道府県、「路線価(相続税評価額)」は国税庁、「固定資産税評価額」は自治体というように、それぞれ不動産に価値をつける主体が異なっていることから、私たちはさまざまな土地についての価格(地価)の発表を目にしています。

【図1】 5つの地価一覧
一つの土地に5つの異なる価格が存在するのはなぜ?違いは?
①「実勢価格」
不動産市場において実際に取引が成立する価格のことを指し、売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格となります。実際に売り出されている販売価格ではありません。
また需要のあるエリアでは、公的機関から公表される地価(価格)よりも高い価格で取引されたり、人口減少が続く地方などのエリアでは、低い価格で取引されることもあります。
つまり、不動産の価格は需要と供給の関係で決まるため「定価」というものがなく、