大阪公演にて大反響を呼んだ、舞台「ブラック・コーヒー」の東京公演が、4月18日より品川ステラボールにて開幕します。それに先立ち、17日には公開ゲネプロ取材会が行われ、W主演を務める片岡鶴太郎と鈴木拡樹を始めとしたキャストたちからのコメントが到着しました!!
本作は、アガサ・クリスティが初めて描いた舞台戯曲にして、クリスティ直筆の脚本の中で名探偵エルキュール・ポアロが唯一登場する推理劇。1930年代の英国邸宅を舞台に、高名な科学者の死と機密情報盗難事件が複雑に絡み合う、クラシック・ミステリーの快作です。
物語は、科学者クロード・エイモリー卿が、家族の前で「機密が盗まれた」と告げた直後に毒殺されてしまうところから始まります。その場には空の封筒が残されていました。容疑者は、その場にいた全員。ポアロとヘイスティングスは、家族一人ひとりに話を聞き、真相に迫っていく中、家族が抱える秘密が次々と暴かれていきます。
名探偵エルキュール・ポアロを演じる片岡は、ゆったりとした口調と紳士的な仕草は、まさにポアロのイメージそのもの。穏やかながら、確信を突いた話し方は説得力や威厳を感じさせます。舞台上に登場したその瞬間から、圧倒的な存在感で、場を掌握しました。
一方、ポアロの相棒アーサー・ヘイスティングスを演じるのは鈴木。ポアロが容疑者たちの話を聞いているときは、口を決して挟まず、笑顔を浮かべながら、静かに傍らに控えていますが、ポアロと二人きりになった瞬間、推理好きの顔をのぞかせます。そんな二面性を鈴木は、控えめながらキュートに演じていました。この作品では物語の案内役も務め、各幕冒頭では、ストーリーを紹介しながら、観客を楽しませました。
何かを抱えたキャラクターが数多く登場する中で、イギリス紳士らしい佇まいで印象深かったのは、リチャード・エイモリーを演じる新木。理路整然とした話し方と抑えた演技で魅せました。
凰稀かなめの存在感も圧巻です。物語冒頭から、怪しい行動を続けるルシア・エイモリーという女性を、どこか儚さを残しながらもミステリアスに演じ切りました。
さらに、カレリ博士を演じる玉城裕規、バーバラ・エイモリー役の天華えま、エドワード・レイナー役の中尾暢樹といった演技巧者による掛け合いは見ごたえあふれる仕上がりです。
劇中では音楽をほとんど使わず、静寂の中で芝居が繰り広げられるため、より集中して物語に入り込めます。数々の伏線が張り巡らされており、一瞬の表情やセリフ一言まで見逃せないシーンの連続です。ポアロの推理により鮮やかに伏線が回収されていく気持ちよさを、ぜひ劇場でご堪能ください。